ちょっといい話
は ば た き の 時

   (有)中川食品 社長
       中川義博
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 君が大きくなった。背も伸び、いつの間にか親父を追い越していった。つい先頃までは外敵に対し親父が両手をいっぱい広げ、必死になって家族を守っていた。その親父の肩までも越えて、君は外に出ていこうとしている。両親は喜びをかくしきれないが、その成長ぶりに驚きと、とまどいさえおぼえている。

 基本的に親と子供は違う。勤労に励み生活費を確保し、社会の変革に懸命に追従しようとしている。すべては家族のために。子供は知識を得、大いなる好奇心と大胆な行動力によって、それを確かめたり、体験しようとする。そこには繊細な配慮がない場合もある。未熱ゆえにすべてが見えている訳ではなく、感動と失望を味わい、感謝したりときには調和の崩れる場合もある。蹉跌を繰り返すごとに君はひとまわりずつ大きくなっていく。


 アメリカの詩人エマーソンは「子供のしつけとは親切心と独立心を育てることである」と言い切っている。幸いにも君は、大洲高校というすばらしい環境の中におり、師の教えから、また友人との交流の中から君なりの価値観と感性を培いなさい。そして社会へ巣立つためにはばたく準備をしなさい。しかしその準備のなかで人に迷惑をかけたり、調和をみだすなど理不尽な行動は許さない。体力的にはもうとてもかなわないが、それでも全知全能を駆使しだれにも負けない気力とで、それを阻止する。

 君が私の息子であるから。誕生日を迎え17歳になった君へ。