●遠征記 | ☆ | 九州大分「竜巻地獄」ゴルフトーナメント | ☆ | 平成4年10月8〜9日 |
“オ〜ナイスショット” 小雨に煙る城島後楽園カントリークラブに時ならぬ大喚声がこだました。 時は平成4年10月8日午前10時37分。 あまりの“ナイスショット”に頬を引きつらせながら興奮しているのは、親睦委員長 の宮下である。ゴルファーにとって出だしの一発は、朝帰りの言い訳をする時ぐらい 緊張するものである。 宮下はこのショットで初優勝の感触を掴んだ。 ここで恒例になったゴルフ選手権の参加メンバーを紹介しておこう。 昨年優勝、二連破を狙う業師「河野」。高いHDの為か最近は優勝から遠ざかっている が実力は最高クラスの「上田・福山」。初参加ながら優勝の呼声が高い「山内・品田」。 「自分の金で昼飯を食った事が無い」とのたまう「ニギリ師古森」。 徳森のダークホースペア、ー「城戸・片岡」。他力本願の馬師「山田」。 復調著しい「サプちゃん・西尾」。超スランプ」大木」。新ドラコンの帝王「藤岡」。 永遠のドラタン帝王「谷本」。そしてしんがりは、 どうコメントしていいか分からない「冨永会長」。 この15名により、二日間の骨肉争う熾烈な戦いの火蓋が切って落とされた。 |
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宮下の“ナイスショッド事件は、参加者はもちろん、一番おどろいたのは本人自身で あったが、後続者に多大な心理的影響を与える結果となった。一番影響を受けたのは、 初参加の品田である。彼は今までもさかんに“ほめ倒し"いや、それ以上の“ほめ殺し" にあってきたが、それぐらいでビビる器では無い。 しかし宮下は直弟子である。 師匠としてのプライドがあだとなり、OBにこそならなかったが、出だしからリズムが くずれ、ひそかに狙っていた初優勝の夢は早々と無残にも崩れさっていった。 時折霧の立ち込める最悪のコンディションの中、飛び出したのは徳森のダークホース片 岡である。“家庭から遠ざかるほど強い"との影のうわさは聞いていたが、うわさ通り絶 好調。一時の栄光の面影も無い大木とは対象的である。 次々落伍者が出る中、堅実なゴルフをしたのが福山である。一時はリードし最終的にべス グロを取り健闘したが、一打及ばず、優勝を片岡に奪われた。 馬は「33」。当然、他力本願「馬師・山田」の独檀場となった。 熱戦の疲れを癒す宿は、混浴露天風呂のある湯布院“ホテルことぶき"誰の策略か、 宴会の席順は苛酷にも成績順である。.上座に片岡、福山、そしてお情けに冨永会長。 末席は宮下、大木。(宮下は終わってみればBM!) 宴会の後、「藤岡、山田、大木の混浴空振り湯冷め事件」「谷本、アンマ誉め言葉災難事 件」、「冨永会長、ホテル締め出し事件」、「西尾、アンマ待ちくたびれ事件」等々、 いろいろあったが、あまり色めいた成果も無く、締めて深い眠りに落ちていった。 |
9日朝、冨永会長の帽子、背広、スボンの忘れ物事件があったものの、時間通り最終戦 を迎えた。ここは別府ニットーゴルフクラブ。ジャンボ尾崎が関係する名門コースである。 “コースに死角無しド古森の独り言が聞こえる。 今日のHDは昨日の成績を基準に決めているので、全員に優勝のチャンスがある。とりわ けスタート前、ベテラン上田の声が小さい。これは何かある。? 昨日とは対象的な秋晴れの元、それぞれの思いを胸にスタートした。 冨永会長の第1打。“バシッ"音の大きさとは裏腹にダブッてチョロ。飛距離10p。 ”何も言うな、何も言うな"気使う古森の声がやけに大きい。波乱含みのスタートである。 しかしみんな調子がいい。谷本は帝王の名に恥じず着実にドラタンを決める。藤岡もドラ コン総ナメ。スランプに陥っていた大木も、席順での屈辱をバネにニアピン、イーグルで 上田に迫っていく。しかし「ニギリ師・古森」だけは一人カヤの外であった。 “パーオン・5パッド信じられない光景がそこにあった。見るに見兼ねたキャディから “バーディ取ったらチュウしてあげる"とまで言われる様である。 確実に、栄光を極めた古森の時代が過ぎ去ろうとしている。 去る者あれぱ出る者あり、新人藤岡が後半追い上げる。最終ホールを迎えてトップの上 田に二打差。上田は最後の力を振り絞って望んだが、ダブルボギーとし、藤岡を待つ。 藤岡の第二打は2オンし、バーディチャンスだったがこれをはずし、同ネットで優勝を逃 した。長い熱い戦いはベテラン上田の優勝で幕を閉じた。 タ日の沈みかけた別府の町に目を向けると、上田の豪快な笑い声に同調するかのように 「竜巻地獄」の噴煙が天をめがけて勢い良くいつまでも吹き上げていた。 大木会員 記 |